VRを使ったビジネスについて調べてみました

Facebook→Metaの社名変更をはじめ、近頃話題に上ることの多い『VR』。

近年、VRはあらゆる分野で活用されていて、多くのメディアでも紹介されています。本記事ではそんなVRについて、市場規模やマネタイズ手法など、ビジネス視点で調べた内容をまとめてみました。

そもそもVRとは?

『VR』とは『Virtual reality』の略で、日本語では「仮想現実」と訳されることが多いようです。

ユーザーに対してリアリティある体験を提供することを可能にする技術で、仮想空間上で「限りなく実体験に近い体験」を得られることがメリットで、近年、この技術が多くのビジネスで取り入れられています。

拡大を続けるVR市場規模

VRの市場規模は、

  • 2018年:約2,800億円
  • 2021年:約4,000億円
  • 2023年:約6,500億円

へと5年間で約2.3倍へと拡大が見込まれている成長市場で、その後もさらに拡大していくことが予想されます。

国内ではソニー株式会社、セイコーエプソン株式会社といった大手企業がVR市場にすでに参入しており、海外企業だとGoogleを要するアルファベット・インクや、マイクロソフト、インテル 、サムスン電子など錚々たる企業が参入済みで、注目度の高い市場であることが見てとれます。

参考:最新のXR市場予測レポートが発表、PC向けVRゲームの市場規模は倍以上に

VRを活当したビジネスモデル

世界からの注目度が高いVR市場ですが、どのようなビジネスモデルやマネタイズ手法があるのでしょうか。以下に主なビジネスモデルをまとめてみました。

ハードウェアの販売

VR体験をする際に必要なヘッドマウントディスプレイやコントローラー、センサーなどVR機器を提供・販売する業態です。最近ではヘッドマウントディスプレイのリース・レンタルサービスまで、ビジネスモデルが広がっています。

VRコンテンツ提供

映像やゲーム、ショッピングに観光体験といった用途別のVRコンテンツを制作・提供するビジネスモデルです。VRコンテンツは売り切りや月額課金、コンテンツ内課金モデル、コンテンツ内での広告掲載など、様々なマネタイズポイントがあり、それぞれの企業毎に特徴があります。

VRコンテンツ製作

詳細は後述しますが、近年ではVR技術を建築や、医療や教育に活用する動きが加速しており、それに伴いVRコンテンツの制作ニーズが高まっています。

VRコンテンツの制作難易度は非常に高く、360°動画・写真の撮影技術、音声収録技術などなど様々な技術が必要となり、クオリティの高いVRコンテンツを素人が作ることは困難だと言えるでしょう。制作のハードルが高いため、制作を専門に請け負う企業も多数存在しています。

VR制作・開発者支援

コンテンツ制作・開発のためのソフトウェアやプラットフォームもVRを取り巻くビジネスモデルの一つです。

VRコンテンツが世間に浸透するにつれて、ブラウザなどで簡単にVRコンテンツを編集加工できるソフトウェアが続々と生まれ、その他にもVRに特化した専門技術・分析ツールなど様々なソリューションが続々と誕生しています。

売り切りやアップデートによる課金モデル、フリーミアムとの組み合わせなど課金形態も様々なものが考えられます。

STYLY – VR/AR/MR creative platform

nunuStudio

産業別・VRの活用事例

VR × 観光

旅行・観光業界が発信するコンテンツでは、VR技術を活用することで部屋にいながら仮想空間上で観光することが可能になってきています。

国内外多くの企業がVRサービスを提供しており、Google Earth VR(Googleストリートビュー)などが有名どころです。

国内だとHISがVRを導入しており、「専用端末CREWL(クルール)」を装着することで仮想空間上でハワイやバリ島の観光が可能です。

HIS VRでハワイやバリ島などのホテルを360度ぐるっと見学 | 海外旅行・格安航空券の総合情報サイト

VR × 不動産

不動産業界においてもVR活用はとても活発です。すでに国内大手不動産サイトでは物件情報に写真だけではなく、360度映像も掲載されています。

実際に希望の物件に内見しに行く前にVR映像で部屋のイメージを掴むプロセスは加速しており、部屋のモデリングを模型ではなくVRで行う企業もあります。

また、ナーブクラウドというVR内見に特化した企業も存在するなど、不動産業会は、VRの活用が最も進んでいる業界の一つと言えるでしょう。

ナーブクラウド

VR × 教育

VR 技術は教育業界でも利用されています。米国ではVRを社会科の授業に活用し、仮想空間上で世界遺産などを巡る社会科見学を実施しました。

国内だとNHKから「VR教材」が販売されており、米作りや食品ロス問題、天体観測など様々な学習に役立てられているようです。

教育機関への導入コストと言った諸問題もありますが、今後も活用が期待される分野です。

今すぐ使える!VR教材

VR × ショッピング

小売・ショッピング業界もVRとの親和性が高い業界です。インターネットが普及し小売店はECサイトを持つに至りましたが、現在はECサイトに次ぐ形として「VRショッピング」が普及しつつあります。

AmazonではAmazon Smerianという、VRやARの専門知識やプログラミング技術がなくても誰でも簡単にVRやARコンテンツを作成できるツールを提供しています。小売業界においても今後はVR活用の流れが加速するように思えます。

Amazon Sumerian(VR および AR アプリケーションの構築と実行)| AWS

VR × 医療

医療の世界でもVRは活用されています。英国のMedical Realitiesは、外科トレーニング用VRを開発しました。

この技術により、これまで少人数だけしか近距離で手元を見ることができなかった手術見学を、仮想空間上で多くの研修医が見られるようになり、優れた医師が持つノウハウの共有を可能にし、手術成功の確率を高める効果が期待できます。

また、メンタルヘルスの改善にも役立てられており、精神疾患を持つ患者に対して、VR技術を駆使した仮想空間上でのカウンセリングやトレーニングが行われています。

Medical Realities

Limbix

まとめ

市場が拡大し続けているVR市場では、様々なソリューションが現在進行形で生まれています。現在でも多くの場面で活用されていますが、より多くの産業に浸透していくことで更なる発展が期待されます。

>お仕事中の気分転換にこちらもどうぞ。

2月 4, 2022 | No Comments

Comments

Leave a Reply